オタクのよろこび語録~ボキャ貧編~

2次元のアイドルを推すオタクが色々やってみる。メイクとファッションが好き。

「映画刀剣乱舞」を今更ながら観てきました

  こんにちは、ユニコです。先日映画刀剣乱舞を観てきました。お目当ては刀剣男子ではなく織田信長を演じられた山本耕史さんです(爆)!彼の時代劇における演技力の素晴らしさは真田丸を観ればわかるので皆ぜひ真田丸を観てくれ…。刀剣乱舞にあまり詳しくないオタクがちょっと違った視点で思ったことをちょっとだけ記しておきたいと思います。というわけで今回は日本では上映が終了している「映画刀剣乱舞」の感想です。(ネタばれあり)

 一応ご存じない方のためにあらすじだけざっくりと↓

天正十年六月二日 京・本能寺。明智光秀織田信長を襲撃した“本能寺の変”に、歴史改変の魔の手が迫っていた。燃える寺から信長を逃がし歴史を変える、そんな時間遡行軍の計画は、刀剣男士たちの活躍により打ち砕かれた。
ところが、無事任務を終えて帰還した彼らに届いた「織田信長生存」の一報。本来の歴史に戻すため、刀剣男士たちは織田信長暗殺を目的に再び過去へと出陣するのだった。
どうやって信長は生き延びていたのか、怪しい動きをする影、そして立て続けに歴史介入をしてくる時間遡行軍。彼らの本当の狙いに気付いた三日月は…
正しい歴史とは何か。守るべきものを守る戦いが、今始まる!


引用:https://hlo.tohotheater.jp/net/movie/TNPI3060J01.do?sakuhin_cd=016633

 

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①ミュージカルに比べてストーリーのしんどさは控えめ(個人の感想)


 先日の記事に感想をまとめたようにわたしはミュージカル「刀剣乱舞~三百年の子守歌~」を観劇してきたのですが、それと比較するとストーリーの重さはかなり控えめのように感じました。冷静に「話がよくまとまっている」という印象です。余談ですがこのことを台湾人の友人に話したところ、刀剣乱舞の映画化はこれが初めてだから最初からストーリーが重すぎたら初見のファンが付いてこられないのでまぁこんなものだと思っている(意訳)」と言われました。海外のファンの方もなかなか鋭い視点を持っていますね…!なるほどという感じです。

 

 

②「正しい歴史」とは何か


 刀剣乱舞で登場する「正しい歴史」という言葉。わたしは刀剣乱舞を知ってからというものずっと引っ掛かりがありました。刀剣男子はなぜそこまで命を懸けて戦うのか、その「正しい歴史」とやらがそこまでして守る価値のあるものなのかということに疑問を抱いてきました。今回の映画では刀剣乱舞初心者にとっても彼らが戦う原点がわかりやすく示されていると感じました。映画の中で新しい刀剣男子として登場した骨喰藤四郎くん。どうやら刀剣だったころの記憶がほとんどないようです。それも手伝ってかシルバーのボブカットが特徴の中性的でミステリアスな印象でした。そして顔面が美少女。彼は記憶が定かでないまま任務を命じられるのですが、正しい歴史を守るために戦うことは当たり前と思っている刀剣男子たちの中で「私たちは何のために戦うのか」という問いを発します。原点に回帰した極めてシンプルな質問のように思えますが、刀剣乱舞初心者の私にとっても疑問の点だったので彼が思い悩むことで初見の方も入り込みやすくする工夫がされていたように思います。また作中で何度も出てくる「正しい歴史」とは何なのかという問いを発したのは織田信長でした。織田信長は「その正しい歴史というのは人によって異なるのではないか、それならば本能寺の変を生き延びた今こそ自分にとっては正しい歴史なのだ。」と言うのです。難しいところですね…。どちらかが絶対的な悪であるわけではなく、お互いの正義が反した結果戦っているというわけです。そう考えると刀剣乱舞における敵の時間遡行軍も目的は分からないものの、徒に悪事を働いているわけではなく彼らになり正義があるということかと考えさせられました。何が正義かは立場によって異なる、それを肯定した上で今回の任務のリーダー三日月宗近「歴史が変わることで多くの小さな名もなき尊い命が失われてしまう。我々はそれを守りたいのだ。」と答えます。これが彼らにとっての戦う理由であり「正義」だというわけです。うーん、とはいえ歴史が改変することで助かる命もあるだろうし…難しい。わかるようなわからないような…。しかしこういった問いによってわたし自身が彼らの守るべき歴史をただの線のように考えていることに気が付きました。私たちが学校で習うような日本史にはそれこそ織田信長のような歴史に名を遺した人物しか載りません。ですがその裏には当たり前の様に名もなき大勢の人々がいて人の数だけの暮らしがあった、わたしたちと全く同じように。刀剣男子たちにはそれが見えています。たかがフィクションかもしれませんがなかなか重要な視点を与えてくれたような気がします。

 

 

刀剣乱舞は縦の時代劇


 これが今回わたしが映画を観て最も強く感じたことです。刀剣乱舞ってなんやかんやでSFなのかと思っていました。未来を生きる刀剣男子たちが過去のある地点に介入して歴史を守るというものですよね。いわゆるタイムトラベルです。しかし今回の映画の中では「審神者の代替わり」が描かれ、それを時間遡行軍が止めようとします。近ごろは時間遡行軍が連続して歴史の改変を試みていたので刀剣男子は出陣を余儀なくされ、刀剣男子たちが所属する本丸の守備が手薄になっていました。どうやら立て続けに出没した時間遡行軍の本当の目的は時代の改変ではなく本丸の守備を手薄にして審神者の代替わりを邪魔することだったようです。そのために時代の各地で彼らが現れていたというわけです。刀剣男子たちの本丸も敵にとっては落とすべき城であることに何ら変わりはありません。一般的な時代劇はピンポイントな時代の一地点の中で地理的な横の広がりを持って戦いを繰り広げます。しかし時間軸の移動がある刀剣乱舞では時代という縦の広がりを持って戦いを繰り広げているのではないかと思いました。時間遡行軍は敵ですが、標的を狙うためにわざと他の場所で騒動を起こし標的自体の戦力を落とすというのは立派な策であり割とよく時代劇ではみられるのではないでしょうか。ただ刀剣乱舞の場合それが縦の流れの中で発生しているというわけです。こうやって考えるとキャラ萌え抜きにしても楽しめるのではないかとちょっとだけ見方のバリエーションの提案をしてみたり…。

 

 

④その他雑記(萌え語りなど)


 ・三日月宗近のcv.鳥海感
  三日月宗近を演じられたのは鈴木拡樹さんですが、あのね!本当にcv.鳥海って感じでしたよ。思わずびっくり。若手の俳優さんって声がどうしても軽めになる印象があったのですが、ちゃんと重厚感がある。彼が初めて言葉を発したシーンで思わずテンションが上がりました。そして三日月宗近といい三百年での石切丸といい、リーダーが抱え込みがちなのは何かの伝統なんでしょうか?wもっと別なストーリーも見てみたいところです。


 ・山本耕史さんの演技
  いやいや、見るところはそこじゃないでしょ…って呆れないで!わたしはNHK大河ドラマ真田丸」を観てからというもの山本耕史さんの演技のファンなの。だから最初にこれだけは言わせて!圧巻の貫禄やんけ…。これよ、これ!私が時代劇に求めていたのは、という感じ。最初のシーンから山本耕史さんが出てきて最初からクライマックスとはこのことかしらと思いました。天下人の織田信長らしい重厚感?と地鳴りのような低い笑い声。信長が怒鳴ったシーンでは思わず見ているわたしがビビりました。

 ・日本号かっこよかった
  基本的にガサツだけど洞察力が鋭くて頭がよく切れるタイプ。正直キャラ萌えはしないけど素直にかっこいいと思いました。へし切長谷部と一緒に豊臣秀吉のお供をすることになったシーンは堅物で融通の利かない長谷部のフォローに回るツッコミ役でしたが、二人の掛け合いはクスッときました。


 ・刀剣男子とそれ以外のキャストでのメイクの違い
  やはり映画ではアップのシーンも多いので、ミュージカルとはまた違った近距離でも耐えうるようなメイクがされているように感じました。特に睫毛の質感がよくわかり、アイラインも少し控えめだったと思います。しかし織田信長をはじめとした刀剣男子以外の人物と比べると彼らのメイクはかなりしっかりめですが、逆にそれがその時代の人間でもなければ本当の人間と全く同じではないという刀剣男子の存在の異質さを強調していました。


 ・殺陣のシーンの美麗さ
  刀剣を題材にした作品なだけあって殺陣のクオリティーが高いです。でも実は刀を振るうシーンよりも戦いが終わった後にシュンって刀を上から下に振り下ろすシーンの方が個人的には好きだったりする。

 

 

  わたしは台湾に来るまで刀剣乱舞を履修してきませんでしたがここにきてまさかの逆輸入という事態…。いや、私にはうたの☆プリンスさまっ♪があるのでこれ以上ハマるわけにはいかないんや…!とはいえ刀剣乱舞を通して台湾のオタク事情を知ることができるのでなかなか面白いですね。刀剣乱舞は台湾で最も人気なコンテンツの一つなのでまた何かイベントごとがあるときには飛び込んでみたいと思います。ここまで読んでくださってありがとうございました!